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郷学を興す 今、日本に必要な足元からの郷土磨き

 先週、山形の鶴岡、酒田を訪問しましたが、その時に今、我々が為すべき最優先のことは郷学振興であるとの意を強くしました。荘内藩も酒井家、姫路藩も酒井家で共に江戸幕府においては譜代大名でありました。明治維新以降の廃藩置県で、藩と共に藩校も廃止されましたが、先日、荘内を訪問した際に、市内に整備されて今日も市民に愛され、利用されている荘内致道館、荘内神社、致道博物館を拝見しました。時代の変化で社会の制度は廃止されても、郷土がある限り、郷土に根差した教育は綿々と継承していかねばなりません。祖先と郷土の先達に対する思念を持ち続けることが大切です。今日、日本人が日本人であるまじき事件が繰り返されています。日本人が自己融解、崩壊し始めているのです。これを元に戻すのは容易ではありませんが、まず自分達の郷土に目を向けて自分の立ち位置、自分の郷土を見直す街づくりを見直すことが第一です。

世界遺産「姫路城」の城内には姫路藩最後の藩主となった酒井侯の歴代藩主を祀る「姫路神社」があります。また、姫路藩の財政破綻に際し、藩政改革を行い、見事に姫路藩の再建を果たした河合道臣(寸翁)を祀る「寸翁神社」があります。姫路城の大手門から見て、お城の東に真東の城下に位置するこの二つの神社は姫路市民にとっての魂の聖地であるべき処です。丁度、志を同じくする地元の「灯台塾」の皆さんが姫路神社、寸翁神社を掃除するという会を催されましたのでそれに飛び入り参加して、1時間半、みっちり両神社を磨かせていただきました。

当塾では、「郷学を興す」活動として、9月の第二日曜日から、姫路神社寸翁会館において、「親子で学ぶ日本の心」を開講します。日本の歴史を国の始まりから偉人先哲の伝記を読み、その昔藩校や私塾や寺子屋で子供たちが学んだ日本、郷土の心を共に学んで行きたいと思います。詳細は、後日、当塾ホームページに掲載しますので、是非、月に一回、「日本の心」を学ぶ会に参加して「美しい日本とその心」を養ってください。

令和6年7月8日から7月15日の間に開催された定例講座は以下のとおりです。

▼伊與田覺先生のみ教えに学ぶ 『人に長たる者の人間学』 最終講

(三木英一先生)

 伊與田覺先生の人間学の集大成である『人に長たる者の人間学』の最後の二講を一気に読み上げました。

 第十一講は、孔子の生涯を俯瞰して孔子の懐いていた孤独、不安について『論語』の章句を引いて説かれた講義でした。孔子に限らず、大事を為した偉人先哲は皆、同じ孤独感と闘ってきました。「克己復礼」は良く知られる『論語』由来の四字熟語です。自らもよくし、世の中もよくしていくという、それを貫くものは「仁」であり、自己自身に対しては私利私欲に打ち勝ち、日常生活を営む上では秩序と調和を保つための「礼」というに立ち戻ることであること学びました。