第4回有源会を開催!「今こそ、伊與田人間学を」(祝 先師生誕110年)

6月15日は当塾と私が私淑する二人の人物のお誕生日でした。一人平安初期744年に讃岐(香川県善通寺)でお生まれになった弘法大師空海さん、今一人は大正5年(1916年)に土佐(高知県西端の大月町)でお生まれになった伊與田覺先生です。共に、四国にお生まれになり、深山幽谷に身を置いて心身脱落の人生を歩まれた二人の師は、1200年という時空の隔たりがありますが、教化を通して次世代を担う人づくりを目指されました。
世の中が無秩序化している時、庶民凡人は流言飛語に惑わされ、「今だけ、金だけ、自分だけ」になっていきます。時代が進み、文化文明が進歩しても結局人間がすることは何ら変わりがないということを実証しております。
伊與田覺先生は、先師安岡正篤先生の目指された現代の世直し、経世済民(世を経め、民を濟ふ)を継承されました。大阪を中心として戦後の混乱期の日本を創る「人つくり」を始められました。70年間に亘る伊與田覺先生の魂の格闘の姿を第四回有源会ではお話させていただきました。安岡先生がある時伊與田先生にこう言われたそうです。「君は僕の形骸を学んではいけない。僕は孔子の求めたものを求めて学んだ。君は僕が求めたものを求めて学べ」と。そして、この言葉が終生の指針として「完熟の人生」を歩む目標となったのです。


6月9日~6月15日の間に開催された定例講座は以下の通りです。
▼6月12日 伊與田覺先生のみ教えに学ぶ 『百歳の論語』(先生)

『百歳の論語』も今回が最終講でした。「完熟の人生」を目指された伊與田覚先生の論語道の完結編です。「心に響く『論語』の言葉」では、人間孔子の「情」を学ばせて頂きました。孔子の発せられた言葉に、一挙手一投足に弟子達は師孔子の人間性、人格の高貴さを感じます。「夫子の道は忠恕のみ」で講義の最期を締め括られていました。