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暑さ寒さも彼岸まで!

 最近、「蓄積型熱中症」という新語をよく耳にするようになりました。酷暑に悩まされた数カ月でしたが、茲に来て、秋の訪れを感じさせる日が出始めました。そんな中、気が弛んだのか、夏の疲れがどっとでたのか、倦怠感と全身疲労を感じて動けなくなる人が全国で激増しているようです。避暑地として有名な長野や北海道でも沖縄並みの暑さが続きました。また、降れば土砂降りのスコールで、全国で洪水が多発し、今更ながら自然の脅威を感じると共に、日本という国の気候風土ががらりと変わってしまったことに誰もが気づきはじめました。

 地球は長い年月の間、寒暖という気候変動と文明による栄枯盛衰を繰り返してきました。日本の歴史書である六国史の『日本後紀』にはすでに、紀行の変動に関する記述が認められます。日本人は自然と一体になって生きてきました。明治維新で近代国家へと舵を取り、近代文明を謳歌して百五十年強が経過しました。文明社会の利便性により、世界が羨む先進的社会を築きましたが、自然との一体感は薄れ、日本人の情緒も失われ、自信喪失国家になってしまっています。今年は、乙巳の年、新しい社会にむけてのビジョンを確立し、一歩を踏み出す年であります。その年も残り3か月となりました。来年は、世界中が新しい体制のもと、活動を盛んにしていく年になります。この九カ月を無為に過ごしてしまった人も、終わり良ければすべて良しの故事にならい、身を引き締め直して乙巳の年の終わりを締めくくりましょう。

9月15日~9月21日の間に開催された定例講座は以下の通りです。

▼9月18日 安岡教学 『安岡正篤に学ぶ人物学』第4講 一本松康雄氏

(三木英一先生)

 今回は平成15年から18年の間、関西師友協会の顧問をされた元神戸電鉄社長の一本松康雄氏の先師安岡正篤先生像の話です。学生時代から安岡先生の本を読み、実学されてきました。『経世瑣言』や『世界の旅』で安岡教学に魅了され、ご自身は『孟子』を座右の書にして実学の励みとされてきました。