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春分の日に思う「願わくは花の下にて春死なん」西行

『易経』と言う書物があります。「易」と聞くと「占い」と連想される方が殆どでしょう。確かに、古代から「易」は見えない未来を読む「占筮」の書でありました。と同時にこの書ほど日本人の生活に深く浸透し、多くの示唆を与えた書はありません。私たち日本人がよく耳にする「二十四節気」というものがありますが、これは易の「十二消息卦」の教えの応用です。カレンダーのない時代、人々は自然界の変化を二字熟語にして表したこの二十四節気の「陰陽の消長」をもって時の変化を知りました。特に、農民達は自暑さ寒さ、日の長さ短さをもって、自然の変化を読んで、農作業の準備から本作業、収穫、整備を綿々と実施してきました。明治維新まで我々日本人はこの様に農業をベースにした「陰暦」、「農業暦」を用いてきたのです。従って、この暦には日本人の経験からくる英知が込められているのです。日本は150年まえに近代化に大きく舵を取りましたが、現代文明が行詰りを見せている今、私たちは自然と一体になって生きる日本民族のDNA、知恵に今一度立ち返り、自分を取り戻すことが必要だと思います。

令和8年3月23日から3月29日に開催された定例講座は以下のとおりです。

▼3月22日 伊與田人間学を学ぶ  第八期『男の風格をつくる・論語』第3講 (竹中栄二先生)

 今回は第三章「情理によって結ばれた師弟の絆」を味読しました。孔子と愛弟子顔回の間に交わされるやり取りから、二人の間の「情愛」の深さを感じました。顔回は孔子の幼馴染で同じ昌平郷出身の顔路の息子です。幼少時より孔子の塾に出入りし、師である孔子の言行を五感をもって吸収しました。不幸にして孔子より先に40歳の若きによって亡くなってしまいます。孔子の分身とも言える顔回の死は孔子にとって非常なショックでした。

▼3月26日 岡田武彦先生の著作を読む (三木英一先生)

今回からテキストが『王陽明 抜本塞源論』になりました。この書は、王陽明の代表的著作『伝習録』の中の名文です。陽明は「世の弊害は表面を繕うような取り組みではなく、その原因の根本を取り除かねば解決できない」ということをこの一文をもって表しました。その名文全文をまず全員で朗誦しながら学びますが、今回はその一回目ですので、まず、王陽明の生涯を振り返り、「抜本塞源論」が生み出した王陽明の境地を確認し、名文を朗誦して意気を新たにしました。世に経世家として名を連ねる政治家には是非、味わって頂きたい書です。