この国を思う:自然災害と日本人 今こそ日本人の見識・胆識が必要!
厳寒の2月6日に発生したトルコ・シリア大地震の惨事はテレビ・新聞・スマホの報道でしるとおりです。毎年、地震、台風、大水洪水で自然の脅威にさらされている私たち日本国民にとってはとても他人事とは思えません。早速、トルコに対する支援活動がスタートし、日本国レベル、民間レベルでも支援の手が差し伸べられています。自国民の救済に奔走するのはまだしも、自国外の國への支援をこれほど迅速に行えるこの日本という国、日本人の国民性は災害が起こるたびに世界から称賛されます。それは“無私の精神”からの発露だからです。日本人のDNAの中には、困っている人、苦しんでいる人をほっておけないという性分があります。
先日、2月15日、17日の某紙のコラム「春秋」に紹介された山田寅次郎宗有の逸話は今でも語り継がれる美談ですが、時代が変わって今日、只今、この度の大震災において日本及び日本人として何をしてあげるのが一番大事なのか考えてみたいと思います。物資、義援金の支援は勿論、寒さと恐怖に震えるトルコ・シリアの人々には必要かと思いますが、もう一歩踏み込んで、復興と将来の亘る交流を考えた時、今こそ実施すべきことが、災害孤児の受け入れではないでしょうか。この発案は、私と共に聖徳太子学を学ぶ会に参加されている加古川のNさんから出されました。震災で家族を失って心まで傷ついた子供達を一人でも多く日本に受け入れて、同じ痛みを知る東北や神戸の熊本の子供たちの中で養育し、将来、日本とトルコの架け橋となるような人物に育てあげるという支援です。こういう人道的支援こそが、道義国家大国として日本の目指すべき方向性のように思います。
昨年の2月に端を発したウクライナ戦争も、長期化の様相を呈しています。この一年、日本国としてウクライナ戦争には常に後手、後手の支援だったのではないでしょうか。絶えずアメリカやEUの動きを忖度してきた日本の外交にとって大事なのは、ぶれない行動指針です。日本という国は難民受け入れには非常に消極的な国です。ウクライナの戦争難民、孤児、トルコの震災孤児の受け入れを機に、難民・孤児を積極的に受け入れて養育を惜しまない国、世界に範たる大国を目指すべきだと思います。
それが“和を以て貴しと為し、萬世の為に太平を開く心”なのです。
2月16日 安岡教学『青年の大成』を読む (講師:三木英一先生)
令和5年の1月から『青年の大成』を読み始めています。安岡先生が毎年夏に全国の青年の為に開講された「全国青年研修会(日光田母沢)」での講義録です。今回は安岡先生が学生時代に原書で味読され、今回は先生自身が英文和訳をされたホーソンの『巨巌の顔』(『The Great Stone Face』)を、英語学を専門とされた三木先生に英文の音読を交えて講義して頂きました。