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この国を思う:第二回有源会(伊與田覺先生お誕生日を祝う会)開催される!

 伊與田覺先生のお誕生、6月15日を目前に控えた6月11日(日)にゲストスピーカーに広池明徳氏を迎えて、第二回の有源会が開催されました。

 「伊與田覺先生と有源山の思い出」と題された講話は、幼少期の伊與田先生との出会いのお話から始まりました。
熱心な安岡教学の求道者であったお母さんに手を引かれて、幼稚園の頃に伊丹にあった吉田良次先生の丹養塾に入門されたそうで、そこで、『孝経』の素読を初めて経験されました。
小学生になったある日、開設間もない成人教学研修所の門を叩かれ、伊與田先生との師弟関係が始まりました。
中でも成人教学研修所での一番の思い出は、見知らぬ友だちと一緒に二泊三日の共同生活をする「尋常研修会」だったそうです。

 夏の研修会は朝5時から始まります。
眠い目をこすりながら、朝参と呼ばれる朝の集いに参加し、正坐10分、「学規」、『孝経』の素読、真向法体操の後、有源台に移動し、国旗を掲揚し、国歌を斉唱します。
その後、山の中を散策して、志学寮に戻って、掃除、そして、漸く、朝ごはんとなります。
朝ごはんの後は、講義です。
而立堂で円座の座布団を敷いて正坐をし、伊與田先生から『孝経』の講義をうけます。
伊與田先生の講義は毎回、「因縁」の話から始まりました。
人の生涯は「縁」によって生かされています。
血縁(親子親族の縁)に始まり、地縁(生まれ育った土地との縁)、道縁(正しい道を生きる間に出会う縁)と縁はどんどん広がっていきます。
この「縁」を大事にして、活かす事が大切であるということを教えられました。
小学校低学年では理解できなくても、毎年毎回通う内に、段々、分かるようになっていったそうです。尋常研修会には小学『孝経』の素読の後、「孝」という漢字についてのお話と、中江藤樹先生をはじめとする偉人先哲の話でした。
研修会では必ず、偉人の伝記を持参し、自由時間には読書をし、読書感想文を書いて、伊與田先生にみてもらいました。
「浄書」という習字の時間もありました。
墨をすって、正坐をして、紙に向かって『孝経』を書き写すという経験も足は痛かったけど、楽しかったそうです。

 小学校、中学校と尋常研修会に参加し、高校生の時には尋常研修のお手伝いをしたそうです。
二十歳の時、伊與田覺先生が「論語普及会」を設立されることになり、事務局として手伝ってほしいということで、山に上がられました。
それから、8年間先生の元で、論語普及会の仕事(『論語の友』の編集、会員との連絡)、研修会の手伝いなどを行いながら、直接先生から人間学の手ほどきを受けそうです。
二十八歳の時、思う事があり、山を下りて新たな人生を歩み始められますが、5,5歳の頃から20数年間、伊與田先生の元で学ばれた訳です。
下山後は、出版社勤務の後、医療関係に従事されていますが、伊與田先生の御勧めで始めた若い人を集めての勉強会「猶興会」を興して、『論語』をベースにした勉強会を主宰されています。
現在は、「春秋の会」(春分の日と秋分の日に開催)を神戸湊川神社で開催されています。
今年も、9月23日(秋分の日)に湊川神社で開催されます。

 伊與田覚先生の遺徳を顕彰する日として昨年から開始した「有源会」は、絶えず「継続は力なり」と言われた伊與田先生の教えを次世代を担う人達に伝えたいという思いで開催しております。
来年は、6月18日(日)に開催予定です。

 なお、広池明徳さんが経験された尋常研修会を再現し、現代を生きる小学生、中学生を対象にした夏期研修会を当塾では昨年から開催しています。
詳細は添付にチラシを御覧下さい。

6月4日から6月11日に実施されました定例講座から

6月7日 第17回人物に学ぶ 人間力強化講座 

『中央アジアにおける企業支援』(講話者:福山哲郎氏)

 日本とは余り馴染みのない中央アジアの国々と日本の企業の橋渡しをされている福山氏から、中央アジアの人々の民族性についてのお話を伺い、更に、日本のビジネスチャンスに関わる非常に興味深い話をいただきました。
カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギスと言った国々と日本人の類似性、そして、日本企業にとってのビジネスチャンスはどこにあるのか、現地で活動されている福山氏の話を通して学ばせて頂きました。

6月8日 伊與田覺先生のみ教えに学ぶ 『孝経』に学ぶ(三木英一先生)

今回は、『孝経(人生をひらく心得)』の第二講「立場に応じた「孝」のありかた」を学ばせて頂きました。
伊與田先生と言えば『論語』と連想しますが、先生が最も大事にされたのは「孝」の精神であるということを今回の講義を通じて再度学ばせて頂きました。