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この国を思う:聖地巡礼と先人との対話

春爛漫の一日、奈良、唐招提寺と空海典に遊びました。

日本仏教の恩人の一人「鑑真和上」が眠る唐招提寺の石田智圓長老様(唐招提寺第87 世長老)にお招きを頂き、奈良国立博物館で開催される「空海展」を見学してきました。内覧会に先立って、平日で静かな唐招提寺を石田長老様と歩かせて頂きました。日本仏教の初期、日本からの仏教の正師を求める使者に対し、自ら志願し密航で渡海すること六度目にして日本に渡られた鑑真和上の遺徳が薫る境内は当に聖地です。所々、歩みを止めて石田長老様が話されるお話は長老様の75年間の唐招提寺での生活(14歳で仏門に入り、現89歳)から滲み出たお話でした。唐招提寺は奈良の中心部から少し離れた西ノ京にあります。この静けさ、昔からの古来日本を偲ぶことのできる好地です。都会の喧騒、現代文明から離れて、数時間でも聖地で至福の時間を過ごせたことこの上ない幸せでした。私たち現代人にはこのような寧静の時間が必要です。

奈良国立博物館は、若草山の麓にあります。鹿と人が触れ合える場所とし外国人観光客にも人気場所で、桜と鹿に興じる人たちでごった返していました。

空海は、鑑真和上が唐招提寺で遷化された後に生まれた日本仏教界の至宝です。

鑑真和上が一身を賭して日本に伝えた仏教の教えは、やがて空海によって日本仏教として確立されていきました。空海展はそんな空海の一生を博物館の六つの展示室に再現されており、鑑真―恵果―空海と継承された真の仏道が如何にして伝わってきたのか学ぶことができました。

▼今週は、定例講座の開講はありませんでした。