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伊與田覺先生生誕108年を祝う! 三木英一先生講話

 今年も6月15日を迎えました。先師伊與田覺先生のお誕生日です。大正5年に高知県下宿毛湾の橘浦でお生まれになった伊與田先生の「完熟!」を目指した人生を、御年91歳の三木英一先生がご自身の人生を重ね合わせて講じられました。伊與田覺先生との出会い、教え、導き、そして、お別れと30年に亘る親交を時系列にそってお話頂きました。特に、伊與田先生とのお別れの直前に当たる平成28年の有源招魂社先哲祭に於いて、伊與田先生の代講依頼で「子思」、『中庸』の心講じられたことで共に教育の道一筋に生きられた先師からの志が継承されたのでした。

今回はリモート参加者も含め50名を超える方々に有源会にご参加頂きました。伊與田覺先生の謦咳に接したことのない方も多く参加されました。瀕死の道義国家日本を思う国士の集まりでした。伊與田先生は戦後間も無く、学校教育の場を離れ、生涯を社会教育に捧げられました。実に70年に及ぶ「求道の人生」でした。安岡先生が終戦の詔勅に込められた願いを、それをお聞きなった伊與田先生が覚られた自身の使命を、それが、『中庸』の教えを通して三木先生へと継承されたのです。三木先生は教職の道を退かれてから直ぐに英斎塾を立ち上げられ、全身全霊を掛けて30年間取り組まれて参りました。昨日は、三人の先生による「道縁無窮」を実感させられたひと時でした。

 講話の後の懇親会では、当会理事で姫路師友会会長の田中昭夫会長から、木戸孝允の「偶成」の吟詠を、そして、大野一道先生(声楽家)からは「この道はいつか来た道」の独唱を添えて頂き、誠に感慨深い第3回有源会となりました。

令和6年6月10日から6月16日の間に開催された定例講座は以下のとおりです。

▼伊與田覺先生のみ教えに学ぶ 『人のたる者の人間学』 (三木英一先生)

 伊與田人間学の集大成、『人の長たる者の人間学』の講義も終盤に入りました。今回は第九講の続きから第十講までを学びました。

 『人に長たる者の人間学』の第9講の残りは、『中庸』の引用からでした。「人間の道を通って居れば安らかでいられる」の部分からです。『大学』で説かれている明徳を明らかにする為に、我々は心の鑑を絶えず磨かねばなりません。「私心」、「欲」、「我」は絶えず我々の心を乱します。これを拭いさり、「中道」を歩むには、「人間の道」を全うすることにあるということでした。