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「夏至」(二十四節気)に思う

 今年も梅雨の季節に入りました。私たち日本人は永い間、農業暦(旧暦)を元に生活してきました。これは自然の移ろいを肌身に感じるように工夫された暦で、日本人の情緒を育む上で非常に重要な役割を果たしてきました。

 夏至は、一年の内で最も日が長くなる日です。私たちの生きる世界は陰と陽の消長によって変化しています。この陰陽消長の観点から観ると、陽なるものが頂点に達した状態になります。現代の暦ではまだ六月ですが、旧暦では一、二、三月が春、四、五、六月が夏、七、八、九月が秋、十、十一、十二月が冬に配当されますから、夏のということになります。此れから、夏本番というのにもう夏の終わりというのは現代人にはピンと来ないかも知れませんが、私たちを取り巻く「気」は刻々と変化し、今や陽の極みに達しています。暑い夏はこれからですが、既に、「気」の上では、陽が消えて、陰が伸び始めているという自然の摂理を思って、自然の移ろいに目を向けて行くのが古来からの日本人の知恵なのです。二十四節気はそれを教えてくれています。現代人は快適を追求するばかりで、自然とはかけ離れた生活をしています。ですから、自然に対しては鈍感になっているのです。日々の生活を送る上で、空気、風、水、雲など自然を注視するように心がけていれば、変化を先読みすることが出来るのです。自然と一体になって生きるとうことを現代人はもっともっと考えねばなりません。それが豊かに生きる知恵なのです。

令和6年6月17日から6月23日の間に開催された定例講座は以下のとおりです。

▼安岡教学『朝の論語』第6講(16-19講) (三木英一先生)

 『朝の論語』も最終講を迎えました。今回はテキストの第16~19講を学びました。

▼伊與田人間学を学ぶ 第五期 『己を修め 人を治める道』第6講

(竹中栄二先生)

 『己を修め 人を治める』(『大学』を味読する)の最終講義でした。『大学』は儒教に於いては、「修己治人」の学として、古くから読み込まれてきた。伊與田先生の成人教学研修所での最初の講義が、松下電器産業からの依頼の松下電器商学院の教職員への『大学』の講義で、爾来、先生が最も多く講義をされている本である。為政者たる者は、この『大学』を何度も何度も読み込んで、人を治めるとは、国、会社、組織を治めるとはどういうことなのかを学ぶべきであることを通観させたれた。世の政治家の皆さんには是非、通読して頂きたいものである。