大暑に思う!今こそ、修養の時期です。
(何陋島錬成キャンプで講話をされる伊與田先生)
日本の国は明治5年以降、太陰暦(農業暦、陰暦ともいう)から、太陽暦に切り替わりました。これは当時の世界列強と同じカレンダーにすることで、世界標準を採り入れる為でした。しかし、今日でも日本の風習、生活の知恵の中には太陰暦に基づく二十四節気の知恵が活用されています。私達、日本人は、謂わずと知れた農耕民族です。その智慧の叡智がそこに込められています。
大暑(たいしょ)は、7月22日から8月6日の二週間に配当されます。一年で最も暑い時期です。この暑い時期を乗り切り、実りの秋を充実して迎える為に、我が国ではこの暑い時期に、精神、肉体の錬成の為の会を開いてきました。それは学生時代の合宿や研修会の経験でも御馴染みです。汗が滴り落ち、蚊の襲来を受けながら、うちわで風を起こして集中して講話を聴いた30年前の景色が今でも目に浮かびます。あの時、学んだことが今になって活きていると実感します。暑い時、寒い時に身心を鍛えるという行為は、古今東西、如何に文明文化が進歩しても人間力を高め、高貴な人格を得るためには看過してはならぬことです。この時期は、自らが求めてこの修行、修養に精を出すべきです。
パリ五輪が後半戦にはいり、夏の高校野球選手権が始まるこの8月上旬に、残された夏を如何に充実して生きるか、各自工夫をしてみてはいかがでしょうか。スポーツ選手のひた向きなプレーに感動した後は、自身の人生の主役である自分の生活を振り返り実りの秋に向けての準備する時期なのです。修養、修行は、あたり前の毎日を振り返り、人生の秋に向けての準備と思えば難行苦行ではありません。皆様の、自己研鑽を心より祈念いたします。
令和6年7月29日から8月4日の間に開催された定例講座は以下のとおりです。
▼安岡正篤先生全著作を読む『日本精神通義』第4講(竹中栄二先生)
『日本精神通義』の第4講は、鎌倉仏教が勃興し、庶民に太平の世の中が開かれると思ったら、また、中央貴族の頽廃、応仁文明の乱が起り、仏教による鎮護国家も庶民救済も水疱と期してしまいました。この時代にあって、その後の日本精神の完成に大いなる役割を果たしたのが、宋学と呼ばれる、新儒教の日本流入でした。留学した僧が持ち帰った儒教経典は、神道、仏教、儒教と結びついて高貴高尚な日本精神を育んだのでした。
▼新聞を10倍楽しく読める地政学:中級篇 (竹原俊三先生)
今回のテーマは、前回の講義の復習とまとめを兼ねた「日本国の30年間の政府債務累積額」の話から始まり、この暑い夏の最大の関心事であります「電力自由化のその後」の話題です。連日40度近い猛暑に覆われ、将に、沸騰化している日本列島です。我々庶民にとっては電気料金の値上げ、政府、企業にとってはエネルギー政策、戦略として、看過できない問題です。その問題の渦中に姫路がクローズアップされてきたというおことでした。