実りの秋の前に!大変革に備える覚悟が必要
毎年のように猛暑を増す日本の夏ですが「処暑」(二十四節気)を迎え、漸く、秋の気配を感じるようになりました。我が国も明治までは農暦を用いてきました。農暦では、この時期を「二百二十日」、「野分」といい、台風が接近する警戒すべき時としていました。実りの秋を迎える前の試練の時なのです。という訳で令和六年の甲辰の歳も最終局面に入ったということです。
国の政治においても10月には総理大臣が替わるという重大局面となりますし、アメリカにおいても11月に新大統領が選出され、新勢力が動き始めるのです。令和七年は乙巳(きのと・み)です。西暦2025年、昭和維新100年の節目の年を迎えます。この節目の年を迎える前の9月から12月の4か月に如何に備えるかが重要なのです。当塾では毎年干支の解説を作成し皆さんに公開してきました。この干支の解説は、先師安岡正篤先生の残された干支学に基づいています。本年、甲辰の歳は、「辰」の歳の象、即ち、「震える」、激震の走る年となると出ていました。今年は年始に能登沖で大地震が起りここにきて、また、俄かに「南海トラフ地震」の発生が報じられ始めました。自然界も人間界も大きな変動が起ころうとしていることは間違いないでしょう。その大事な期間を如何に過ごすか、如何に変革に備えるかが今、我々が考えるべき問題です。これから始まる大変革は世の中のパラダイムシフトが替わると言われています。備えあれば憂いなし、現状を見つめ直し、滞っていることはないか、些細なことでも何か不具合はないかを点検し、致命傷となるようなものはすべてなくしておくことが大切なのです。
令和6年8 月19日から8月25日の間に開催された定例講座は以下の通りです。
伊與田覺先生の『孝経』の第二講目は、「立場に応じた孝の在り方」でした。現代は江戸時代のような「士農工商」といった身分制度は存在しませんが、私たちの一人一人には、目には見えない位置、位というものが存在します。その社会的位置は齢を重ね、生業に精通するに従って向上していきます。その段階毎に「孝行」の有り様があることを学びました。『孝経』ではそれを天子章、諸侯章、卿大夫章、士章、庶人章の五段階に分けて説明してあります。