昭和維新100年 日本精神に回帰すべき年 第3話
大寒から立春への移行は、大自然の理法(自然の運行)を最も理解しやす時です。一年で一番寒いと言われる大寒(1月20日~2月2日)ですが、自然界ではもう春の初め、兆しが出るじきです。寒い中にも、太陽の陽ざしが強くなっていることを感じたり、春を思わせる青空が見えたりするこの時期は、現代人が忘れていた自然との向き合い方を思い出させてくれる時期です。来週には、二十四節気の「立春」を迎え、春がぐっと近づいてきます。この移行期の一週間、自然の中に身を委ねて人間と自然の共生について感じとるひと時を持ってみてはいかがでしょうか。

私がファンクラブ会長を務めさせて頂いています。姫路市安富町の関集落、通称「かかしの里」では、春のかかしの雛祭りの準備が進められています。日本人が日本人であることを嬉しく思えるのは、四季の移ろいと、それを彩る節句の行事です。日本の古き良き風習を今こそ取り戻し、次世代を担う子供たちにそれを体感させてあげたいものです。
令和7年1月20日から26日までの間に開催されました定例講座は以下の通りです。
▼水厚会講座 『宋名臣言行録を読む』第4講 (田中昭夫先生)

第4講は、宋を建国した太祖から二代目太宗への譲位にまつわる話が中心でした。王位の継承には周囲の人間のさまざまな思惑が働きます。宋建国の功臣の一人である趙普はそんな中で、太祖から太宗の治世において、人事面で基盤の確立に貢献したのでした。
▼岡田武彦先生の著作を読む 『簡素の精神』第5講 (三木英一先生)

今回は「言挙げせぬ日本人」から学びました。柿本人麻呂の歌に「葦原の瑞穂の国は神ながら事挙げせぬ国」とありますように、この国では、言葉の力に頼って多言したり、大声を発したりすることを善としないということを美徳としてきました。戦後、GHQによる東京裁判でA級戦犯として裁かれた広田弘毅の逸話などについて学びました。
▼伊與田人間学を学ぶ 第六期『孝経』第6講(竹中栄二先生)

『孝経―人生をひらく心得』の最終話は、『論語』の中から「孝」に関する弟子との問答の章句を学びました。親に対する孝行のあり方について、幼少から親の面倒をみる立場になるまで、人生のいろいろな場面での「孝」です。『孝経』の作者と言われる曾子は孔子から受けた「孝」の教えを、終生を賭けて実践した人です。『孝経』はその実践の記録と言っていいでしょう。