昭和維新100年 日本精神に回帰すべき年 第16話
昭和の日 第七回定期講演会の予告

4月29日は1920年から64年間昭和天皇様のお誕生日でした。当塾では昨年よりこの日を「昭和天皇の遺徳を顕彰する日」として定期講演会を開催することにしています。今年は落ちるところまで落ちてしまった感のある日本の教育を如何にして日本及び日本人の為の真の教育に如何に戻すかということを考える機会にしたいと思い、講師として長崎県大村市で「徳塾 修身館」を主宰される寺井一郎先生を招聘し、姫路城内姫路神社寸翁会館において「戦後80年、『今、なぜ修身教育か!』~己の人格を磨き高める~」と題してご講演頂きました。幼少期から学生時代の体験から始まり、今日「修身教育」を看板に教育再興を説かれている寺井先生の思いをたっぷり拝聴しました。

現代日本人が忘れてしまっている「日本精神」「和のこころ」を体を張って体現しているのが、米メジャーリーグで大活躍している大谷翔平選手ですが、その大谷が如何にして現代に至ったのかというお話は是非日本中の子供たちに聞かせたい内容でした。


4月28日~5月11日の間に開催された定例講座は以下の通りです。 ▼5月3日 安岡正篤先生全著作を読む 第45講『童心残筆』(竹中栄二先生)

今回の随筆は、「ある友の手紙」と「子女を如何にするか」の二題でした。「ある友の手紙」には学生時代の親友からの手紙を元に、余命幾ばくもない友の心の変化を『論語』、『墨子』、『碧巌録』などの古典を交えて著されていました。「子女を如何にするか」は、昭和二年の著述です。長女陽子さんの成長と共に安岡先生も父親として子の教育について考えられたのではと思われます。想定される内容でした。前半では、当時の日本教育界の根本問題を問うておられます。後半は、特に女子教育についての実情とそれを改善するための提言が記されています。
▼伊與田覚先生のみ教えに学ぶ『百歳の論語』第4講(三木英一先生)

『百歳の論語』も後半に入りました。今回の講話は、「孔子の道を後世に伝えた曾子」でした。曾子と言えば、『孝経』をまとめ上げた人物と言われます。十四年間の諸国歴訪の旅から曲阜に戻った孔子は、息子の鯉、愛弟子の顔回の死に遭遇し、落胆します。そんな時に孔子の元に現れたのが曾子でした。七十二歳の孔子が二十歳そこそこの曾子に在って「天は吾を見離さなかった」と思ったでしょう。曾子は孔子学を集大成し、孔子の孫である子思を養育します。子思はそれにより孔子学の眼目である『中庸』をまとめことになります。
そんな曾子と孔子の問答を中心に学びました。