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昭和維新100年 日本精神に回帰すべき年 第19話

 令和七年世直し祈願萬燈行開催される(伊勢神宮 於)

 昭和34年9月26日伊勢湾台風が紀伊半島を襲いました。近畿から中部地方にかけて多大な被害を及ぼした我が国有史以来最大級の台風でした。台風一過、安岡正篤先生は直ちに現地を訪れられ被害の様子をみられました。伊勢の杜の神木が大分倒れておりましたが、内宮、外宮とも本殿は全く無傷のままという奇跡的な状況でした。そして、「奇瑞というべき体験を通じて、国家、国民、民族の神秘的暗示を汲みとるべきで、この時の霊感を活かさねばならない。(中略)我々の使命は、一燈行を萬燈行へと発展させることである。」と言う言葉と共に、翌年、昭和35年9月25日、26日には伊勢湾台風に鑑み「第一回世直し祈願萬燈行大会」が伊勢の聖地で挙行されたのです。大戦後、十五年を経て、日本国再建の礎ができ、国民が浮かれ気分になったところの大災害は、日本民族への警告であるとされた訳です。爾来、先生がご逝去される昭和58年まで世直し祈願萬燈行大会は伊勢の聖地で挙行されていました。その後は、細々と、有志によって継続されてきましたが、近年、昨今の祖国日本の惨状をみるに忍びない有志の数は増え始め、今年は50余名の参加となったようです。第一回の世直し祈願萬燈行大会で安岡先生は、『世界情勢と日本の使命」という基調講演をされています。それから、65年を経過した今、我々は昭和35年当時よりも深刻な状況にあることを我々は自覚、認識せねばなりません。国を憂うる、心ある同志が結集し、「一燈照隅、萬燈遍照行」に邁進しましょう。

5月26日~6月1日の間に開催された定例講座は以下の通りです。

▼5月28日 水厚会講座『宋名臣言行録に学ぶ』第9講(田中昭夫先生)

 今回は、中国宋代の経世家、王安石の新法について学びました。同時代に王安石の好敵手となったのは、『資治通鑑』の編者司馬光です。今回は、王安石の新法に関して、安岡正篤先生を初め、渡部昇一・谷沢永一先生、山本七平氏らが王安石の新法の歴史的意義、評価をされています。その辺りを対比して学びました。