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今考えるべき「日本の食と健康」ヒポクラテスの村開き

 姫路市夢前町山之内地区を「未病、予防医学の未来モデル地域」にしようという取り組みがはじまりました。ヒポクラテスは、紀元前5世紀頃に人類に医学という考え方をもたらした「医学の父」と言われる人です。

 近代科学文明の発達により、現代社会は病気に対して、検査、分析、手術、藥の投与という医療行為によって「生きる」ことをコントロールしています。医療のなかった頃の古代人は病気に対しては、どう対処していたのでしょうか。それは病気にならないように、「食事・環境・生活習慣」に注意を払い「未病」と呼ばれる病気と健康の間の予兆を掴み、予防するということでした。今回開村された「山之内ヒポクラテスビレッジ」は、病院もない過疎の山村集落の人々に「未病と予防医学」という発想で健康を守ろうという発想の取り組みです。この活動の中心は香寺ハーブガーデンを立ち上げられ、今日、夢前町山之内の且緩々という農家レストランを開き、ハーブによる自然療法(食事・アロマなど)を展開されている福岡譲一氏です。その福岡氏の「ヒポクラテス構想」に共感された泉大津市南出賢一市長、「コウノトリ育む農法」の西村いつき先生、抗加齢医学の現場から佐藤守仁先生が講演され、実体験として、ノルディックウォーキングの藤川真司先生、地元山之内の真言宗真楽寺の倉本副住職による阿字観瞑想法の指導がありました。秋の初めの一日、心身を大いに磨けた一日でありました。

9月29日~10月5日の間に開催された定例講座は以下の通りです。

▼10月4日 安岡正篤先生全著作を読む 第50回  (竹中栄二先生)

 『童心残筆』第四章「人品」の第4回目は、青年期の安岡正篤先生に大いに影響を及ぼした二人の人物の追悼の文章のように思えます。「八代城山将軍」は言わずと知れた海軍の重鎮で海軍大臣も務めた方です。八代大将と安岡先生が議論伯仲して大酒を飲まれた話、その後、八代大将が安岡先生を師と仰ぎ、晩年の住まいを安岡先生の家に近くにまで移して師事されました。今一人は、日本の満州進出の時期に「今諸葛孔明」と呼ばれた王永江氏です。張作霖という近代中国史の一大英雄を支えた経世家の王永江と安岡先生は大正14年の夏に会談されました。その一度の会談は安岡先生に益々、王永江に対する興味を懐かせました。今回の一文はその王永江の往時を偲んで氏の遺された漢詩を味わいました。