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この国を思う:この道はいつか来た道

 重陽の節句を過ぎた秋晴れの一日を安富町安志で、農士学校の仲間と過ごしました。毎回の如くの雑草との格闘なのですが、作業の合間に命の水を頂いて庭を眺めているときに、ふと浮かんだ歌があります。童謡「この道」(北原白秋作詞、山田耕作作曲)です。

この道(夏童謡) – Bing video

この道はいつか来た道、ああ そうだよ あかしやの花が咲いている

あの丘はいつかみた丘 ああ そうだよ ほら白い時計台だよ ・・・

 田舎に入って、自然と向き合うと自然と湧いてくる童謡の記憶。日本に生まれ、日本人でよかったなという思いです。今、小学校で教えられる童謡は数える程だと聞きます。幼少期にお母さんや、おばあちゃんが口ずさむ歌を聞いて日本人としてのDNAに刷り込まれていた日本人の情緒が失われつつあるのです。

 日本を代表する数学者 岡 潔先生の名著『情と日本人』にこういう言葉があります。

「日本民族は情の民族である。人と人との間によく心が通い合うし、人と自然との間にもよく心が通い合う。この心を情というのである。日本民族は情によってつながっているのである。」

「情があって、はじめて道徳心が生じる」

 近年、この国で見られる異常な光景、事件、事象の根っこは初等教育、特に幼少期の学びにあるようです。一日も早く、子供たちの心に「情緒」を取り戻す運動を開始しないと、日本及び日本人の未来はホントに危ないのです。

 今年は戦後77年の節目の年と言われます。明治維新からの先の大戦の終戦までが77年、そこから現在まで77年。日本の命運がかかっている年です。

 戦後GHQによる占領によって造られた「戦後体制」という名の日本解体から脱却することが、現在の我が国の一大事なのです。

 『日本の覚醒』で西村眞悟氏は、「目に見えるものではなく、目に見えないものが国家を支え永続させる。「祖国への愛と祖国への献身を尊ぶ国民精神」が無くなれば、すなわち、亡国である。(中略)我が国の教育現場においては、愛国心は「危険」だとか、戦没者の戦場における「祖国への献身」を「犬死」と教え、国旗「日の丸」を揚げることも国家「君が代」を斉唱することも、「いつか来た道」というレッテルを貼って忌み嫌う。(中略)よって、民族の歴史と民族の誇りと祖国への愛と祖国への献身を尊ぶ教育を取り戻すことが戦後体制から、脱却し、我が国の存立を確保する方策である。」と言っています。この中の「祖国への愛と祖国への献身を尊ぶ教育」で、私たちが身近でできることが、「子供に情緒も持たせる」学びの実践であることをわかっていただけると思います。

 論語陽貨篇に「子曰わく、性、相近きなり。習、相遠きなり。」

各自が人としての正しい道、生き方を求め、日本を本来の日本に戻して行きましょう。出来ることからコツコツと!