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この国を思う:かかしの里で “小さい秋見つけた”

 9月15日に大阪府岸和田市のだんじり祭りで始まった阪神間の秋祭りシリーズも10月半ばに入り終盤の播州の秋祭りの季節となりました。姫路市内も東から北まで秋祭りムード一色です。おくはりまのかかしの里の氏神様「水尾神社」の秋の大祭と弓の儀式が10月16日に開催されました。普段は静かなかかしさん達の山村ですが、この日はかかしさんの数を上回る人々で溢れました。

 秋祭りとは本来、社稷の祭りで、社とは「土地の神様をお祀りする祭壇」を稷は「穀物の神様をお祀りする祭壇」のことで、その年の五穀豊穣の御礼を神様に捧げ、報告する儀式であります。現代人は、食べ物は買う物と思っていますが、農家の人たちが汗水垂らして育てあげられたものであることを決して忘れてはなりません。本年2月に始まった隣国のロシアとウクライナの戦争により、世界の食糧危機が問われるようになりました。わが国の食糧自給率はここ数年38%前後で推移しています。先進国の中では最低水準のこの国の実情に何故、日本人はいつまでも美食、グルメを追いかけ、挙句の果てにフードロスを繰り返しこの現実を直視しようとしないのでしょうか。この戦争が長引くと、「飢餓」が頻発する国と地域が増加することでしょう。もはや、他人ごとではないのです。我が国も自給自足できる体力を早く取り戻さないと、本当に手遅れになります。SDGs、サスティナブル社会(持続的環境循環型社会)という言葉をよく耳にします。地球を守り、資源を大事に活かす大事な活動ですが、平行してこの国には、物質的(食力自給率)と精神的(国民精神の立て直し)が急務です。

 秋祭りは華やかで、楽しいひと時でありますが、一年間食べ物を作ってこられた方々に感謝し、一年間の神様のご加護に感謝し、今、自分がすること、すべきことを問い直す機会にして頂きたいと思います。

 

◎先週(10月10日から10月16日)開催された定例講座のご紹介

10月14日:伊與田覺先生のみ教えに学ぶ 第10講(三木英一先生)

 人間学雑誌『致知』に掲載された伊與田覺先生の巻頭言や対談集をベースに伊與田覺先生の教えとは何かを説く本講座も10回目を迎えました。今回の主題は『中庸』です。伊與田先生の教学の中心は勿論、『論語』でありますが、神道に関する造詣もかなり深かったと思います。伊與田先生の年譜を繰ってみますと、学生時代から関西師友協会を設立されるまでの間に、多くの時間を神道的、禅宗的修養に費やされたことが見てとれます。

 その神道を理解する上で重要な文献が『中庸』であります。今回の三木先生の「伊與田覺先生の教えに学ぶ」では、『中庸』の教えを説かれた4本の巻頭言の解説を頂きました。

「君子入るとして自得せざる無きなり」                     (2015年1月号)

「己を正しくして人に求めざれば則ち怨み無し」      (2015年5月号)

「誠は天の道なり 之を誠にするは人の道なり」      (2015年7月号)

「至誠息む無し」                                                         (2015年11月号)

◎当塾関連行事のご紹介:

11月13日 「ふるさと体験・交流フェア」かかしの里(おくはりま)

ここ数年、毎年開催されてきました「かかしさん達の祭典」が、今年は名前を「かかしの里 ふるさと体験・交流フェア」として開催されます。「地域創成」はよく聞く美辞麗句ですが、その現状は如何なるか、晩秋の一日を是非、姫路市の北西部、安富町関集落(かかしの里)で体験し、肌で感じ取って

ください。

(11月13日(日)10時から15時 姫路市安富町関にて開催)