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この国を思う:正師にあわざれば学ぶに如かず

 令和5年の新年講義始めが1月8日(日)朝10時より開催されました。

第一部から第三部まで、講義室参加者20名、リモート参加者8名のご参加を得て、和やかに、和気藹々とした雰囲気でした。

 第一部は、国家君が代の斉唱、神棚拝詞に続き、竹中理事長の新年挨拶と進み、第二部の新年講義に入りました。三木英一顧問による「先賢の教えに学ぶ人間学」は、「三木人間学」のエッセンスが濃縮された内容でした。幼くしてお父様を戦争で亡くされた後、小学校4年から中学1年まで4年間、先生の担任をされた小林先生こそが「教師三木英一の原点」というお話には、思わず目頭があつくなりました。

 古今東西、一大事を為した偉人先哲には必ず「師」の存在があります。いうまでもなくこの「師」とは、知識、勉強の師にあらず、「道」の師であります。人として如何にして充実した最高の人生を送るかを求め続けている師との邂逅は得難いものです。それには、自分が志を立て、その志に近いことを実践躬行している先人を探すしかありません。「求めよ、さらば得られん」といいますが、真剣に、覚悟をもって探さない限り、得られるものではありません。

 「先賢の教え」は、私たちの「正師探求」の糸口を示してくださる貴重な講義でありました。一人でも多くの人が、「正師」を見つけられますことを祈念した今年の新年講義始めでした。

1月2日から1月7日に開催されました定例講座から

1月7日(土):「安岡正篤先生全著作を読む」第18講 (竹中栄二先生)

 開講当時(令和3年7月にスタート)して以来、毎月第一土曜日の早朝9時から11時に開催されている講座です。竹中理事長が、安岡正篤先生の総ての著作を時系列に並べ、一冊づつ味読しているこの講座も、『支那思想及び人物学講話』、『王陽明研究』、『天子論及び官吏論』、『日本精神の研究』、『士学論講』と読破し、愈々、此の令和5年1月より、安岡正篤先生初期四部作の一冊目『東洋倫理概論』に入りました。

 年頭自警に「年頭新たに一佳書を読み始めむべし」とありますが、新年に意気も新たに読みはじめるに最高の書がめぐってきました。同書は、「金雞学院」を設立された先生が、学院生の精神の支柱となる教えとして書き下れたものでありました。今回は、その第一講で、「早年の倫理」について、「志尚」、「師弟に対する敬愛」を味読しました。顔囘と孔子、懐奘と道元、白隠と正受老人、香巌と大潙、耶律楚材と澄和尚、萬松老師、古今東西の「師弟」の逸話に「正師を得ざれば学ばずにしかず」を実感しました。