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この国を思う:自然災害と日本人の国民性

 平成7年1月17日の未明に発生した阪神淡路大震災から28年が経過しました。当日の事は、今でも鮮明に覚えています。子供を挟んで川の字で寝ていた時、下から突き上げるような振動を感じ、激震がはしりました。揺れが収まると同時にテレビをつけました。震源地が淡路島北部ということですぐに、当時神戸市垂水にあった実家に電話をしました。母が怯えたような声で、タンス、水屋が倒れて家の中が歩けないぐらいぐちゃぐちゃとのことでした。このブログを読まれている皆さんも、多かれ少なかれこの大震災に被災されたのではと思います。被災された方には、心よりお悔やみを申し上げます。

 日本人は太古の時代から、地震、台風、大水、大干ばつと向き合ってきました。日本人にとっては、何時襲ってくるかわからない大災害に対し、為政者を中心に一致団結してその苦しみや悲しみを乗り越えて来たのです。毎年のように日本列島のどこかで何らかの災害が起こりますので、日本中どこにも逃げ場所はありません。考えてみると日本人はこの自然災害によって、人間として鍛えられ、智慧を働かせて逞しく成長してきたと思うのです。日本民族は自然と共生することによって、四季という自然の変化を活かして、情感を養い、豊かな生活を実現してきたのです。世界が羨む美しい自然と文化はその賜物として育まれてきたのです。日本人は自然と共生して生きるというDNAをもっており、日本の神道はその結果生まれてきた日本人の信仰なのです。

 地球規模の気候変動により、日本の気候にも変化がみられ、最近では梅雨が無くなり、スコールのような大雨が当たり前になってきました。これからも自然災害から逃れることはできないでしょう。そこで、逆に自然災害があるからこそ、恐懼戒慎して災害に備えることができるんだと発想を転換していきたいものです。持続的環境循環型社会の典型は日本社会です。日本人はこれまでどおり限られた資源を最大限に活かし、リサイクルして生活してきました。災害との向き合い方、自然との共生の範を示すことが出来るのは日本しかありません。

 二十四節気の大寒が過ぎ、一年でもっとも寒い時期に入りました。ということは今年も春が近づいていることです。未来に希望をもって、毎日堅実に過ごしたいものです。

1月17日から1月22日に開催されました定例講座から

1月19日(木):「安岡教学」『青年の大成』第1講 (三木英一先生)

 昨年12月をもって安岡正篤先生の三部作(活学講座、洗心講座、照心講座)を読み終え、本年1月からは、『青年の大成』がテキストとなりました。

『青年の大成』は、昭和38年7月に日光田母沢会館(大正天皇御用邸跡)で開催されました「全国青年研修大会」での講義録になっています。今回はその初講として、現代社会の課題ともいえる「現代の「人間と自己」疎外」、「我とは何か」、「人間と徳性」、「現代文明の自然疎外」などについての文章を味読して頂きました。尚、講義は今月から4回に亘り、下記のとおり講義されます。

 1月22日(日):「伊與田人間学を学ぶ 第三期 『人はいかにして大成するか』第1講」 (竹中栄二先生)

 「伊與田人間学を学ぶ」も第三期に入りました。三冊目の本は、『人はいかにして大成するか―『神道』と『中庸』を読む』です。前回、『中庸に学ぶ』を読みましたが、その後半で、『中庸』と『神道』の関連性、類似点が見えてきました。伊與田先生と言えば『論語』を連想しますが、先生の精神性の奥底には確固とした『神道』の精神があったと思います。その辺りを読むのがこの講座の目標です。