MENU

この国を思う:日本の食が危ない!

 来週4月2日(日)に当塾として第4回目の定期講演会を開催いたします。
今回の講演者は、幸南食糧株式会社の川西 修会長です。
川西会長は60年間米穀業界に身を置かれ、日本人の食と真正面から向き合って来られました。
今回の講演会では、今、我々に突き付けられている「日本及び日本人と食の問題」に対して、已むに已まれぬ気持ちで川西会長が立ち上げられた、「地域活性化研修所」と「KONAN COLLEGE」という独自の農業活性化活動を開始されました。
その先頭に立って、川西会長がお米を中心とした、これからの日本人の食との取り組みについて思いを語っていただきます。
既に、川西会長の活動はこの姫路から北西にあたる宍粟市でも展開されております。
今後、姫路市北部の農業再生に川西会長のお話は大いに参考になることと大いに期待しております。
まだ、席に余裕がございますので、是非会場で川西会長に話に耳を傾けてください。

 さて、今回私共が川西会長を招聘いたしましたのには、当塾が「教育と農業による日本の再生!」を活動の理念としていることによります。
今から100年前、当塾の教学精神の根幹となっております安岡正篤先生は大正の世に起り始めた日本の農業の荒廃を憂い、日本農士学校を設立し「篤農家」の養成に取り組まれました。
正しい日本の伝統農業を維持継承する「農士」を輩出することを目指された活動は戦後GHQにより解体され、この日本人の根幹ともいえる活動が停止されてしまいました。
戦後日本人の食は大きく変化しました。欧米のみならず世界中の食が日本に入ってきて、伝統的日本食は徐々に影を潜めました。それと並行して日本の農業が衰退していきます。
「飽食の時代」から、「国家衰亡の時代」に突入し始めたのです。
今日の農家の崩壊、農村の限界集落化、農業放棄地に増加は顕著に日本の食が崩壊していること示しています。

 最近、発売された文藝春秋四月号は「日本の食が危ない!」という特集になっています。
特集号の最初の論文は東京大学大学院の鈴木宜弘教授です。
「日本の食が危ない!」の中で、鈴木教授は、日本のみならず世界の食の危機を説かれています。
「クアトロショック」、即ち、
①コロナ禍による物流の停滞、
②中国による食料の「爆買い」、
③異常気象による世界的な不作、
④ウクライナ戦争の勃発により、日本が大打撃を受けることは必至であると説かれています。

今一度、日本人一人一人が食について真剣に考えねばならい時がきているのです。
イソップ童話の「アリとキリギリス」にならないように。

3月22日から26日に実施されました定例講座から

3月26日 伊與田人間学を学ぶ 第三期『人はいかにして大成するか』第3講 (竹中栄二先生)

 伊與田覺先生というと『論語』を連想される方が殆どでありますが、先生の教えの根幹には「神道」と「中庸」の教えが綿々と流れております。
第三講は、「戦後日本の一断章」を味読しました。
前回、伊與田先生が自身の精神の遍歴を語られました。二十歳の時に、生涯の師となる安岡先生と出会われ、今回はそれから十年たった昭和20年(1945年)の戦中、戦後の安岡先生との交流、特に、今回は安岡先生から頂かれた手紙に触れられ、師弟間の心の交流が伺われるところでした。(『安岡正篤先生からの手紙』致知出版社)参照)