この国を思う:緊急提言! 日本が危ない!民族の歴史を忘れた国は亡びる―2
20世紀最大の歴史家と言われるトインビー博士の箴言は度々、ご紹介させて頂いてます。今回、改めてトインビー博士の言葉をまとめてご紹介したく思います。名著『歴史の研究(A Study of History)』は昭和32年(1957年)に出版されました。その著書の中に有名な「民族(国)が滅びる三要因」というのがあります。
第一に、その民族、国が自らの歴史を失った時、即ち、自民族、自国の歴史に学ぶということをしなくなった時に滅びる。第二に、その民族、国が自民族が自国を存続、継続する上の理想、希望を失った時に滅びる。第三には、その民族、国が自民族が物事を心(魂)でなく、単に数量でのみで捉えるようになった時に滅びる。というものでした。7月29日は明治大帝の御命日でした。生前に多くの和歌を残された明治大帝の歌に、「目に見えぬ神にむかいて恥じざるは人の心の誠なりけり」とあります。残念ながら、戦後78年、我が国は、「各自の心の目」を育てる教育を無くしてきました。この三つの要因から今日の日本を見直すと誰しもが、今の日本に異常と危機を覚えずにはいられないのではないでしょうか。今、この国では「日本人のメルトダウン、自己融解、崩壊」が急激に進行しています。この国難に気づいた者が立ち上がるしかありません。夏休みに入り、学校での勉強は停止しています。この期間に、お子さんと、お孫さんに日本の心を繙いてあげてはいかがでしょうか。日本神話を読み、偉人の伝記を読んで、自分達の郷土を見直す絶好の機会です。できることならトインビー博士の『歴史の研究』にも手を伸ばしたいものです。
7月24日から30日に開かれた定例講座より、
7月26日 安岡正篤先生講話録に学ぶ(水厚会)『東洋人物学』(田中昭夫先生)
7月度の『東洋人物学』は、「人生と驚覚」から始まりました。再度、研修に参加して自己を見つめ直すことの意義、目的についての安岡先生の講話を読みました。仏教用語の「そわか(薩婆訶)」についても真意を学びました。人間にとって大切な「習慣」についても、安岡先生が『百朝集』に引かれている『アミエルの日記』の言葉や思考の三原則についても改めて学びました。
7月30日 伊與田人間学を学ぶ 第四期
『人はいかにして人物となるか』(竹中栄二先生)
「伊與田人間学を学ぶ」も第四期に入りました。今回の伊與田先生の著作は『人はいかにして人物をなるか』です。孔子、王陽明、中江藤樹という伊與田先生に多大な影響を与えた先哲のお話が集録された本です。今回はその第一章にある「いかにして人物となる」について学びました。成人教学研修所の「学規」の第一に、「人と成るは、教えを聞き、学を修め、業を習うにあり」の「人と成る」とはどういうことで、その基本として何をどのように学べばいいのかについてのおさらいの講義でした。「小学」「大学」「中学」と人は、幼少時より段階的に正しく学ばねばならいということ改めて知らされる内容でした。