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この国を思う:最近の日本のスポーツと人間学

今年、様々なスポーツで日本人の活躍が目立っています。9月9日にはラグビーワールドカップがスタートしますが、その直前に開催されたバスケットワールドカップでも、地元開催という有利はありましたが日本人の新しい力を見せました。今春のワールドベースボールクラッシックに始まり、世界バレー、世界陸上、などいろいろなスポーツで日本選手の活躍が目立ちます。一昔前、バレーボールやラグビーに興じた自分が感じていた世界とのレベルの差は確実に近ぢまっています。その要因は何処にあるのでしょうか。皆さんと今日の日本スポーツの強さについて考えてみたいと思います。

まずは、身体能力の向上があります。過去の日本のスポーツには「根性論」に基づく指導が常道になっていましたが、近年は専属トレーナーの肉体改造プログラムに基づく、計画的な身体づくりが進められており、依然として体格面では劣るものの筋力面では対等に立ち回れるくらいになっています。

次に、経験、キャリアの積み方についてみてみたいと思います。今日、全てのスポーツで季節感がなくなったように思います。スポーツとビジネスがつながったことで、世界中で様々な大会が開催されています。日本の主要スポーツにはスポンサーがついており、アマチュアと雖も世界を渡り歩いて武者修行できる環境が整っています。之は他国の選手に比べても大きな有利点になっていると思います。そのお陰で、オリンピックや世界選手権やワールドカップのようなビッグイベントでも大きなプレッシャーに押しつぶされることなく競技に集中出来ています。

最期に、メンタル、精神面の向上とそれに対する工夫です。記憶に当たらしい高校野球の夏の甲子園大会で優勝を果たした神奈川慶應義塾高校を思い出してください。坊主頭でなく、普通の髪をなびかせて楽しくプレーする選手達の姿を見て高校野球も変わったなーと思った方が多かったのではないでしょうか。近年高校野球の勢力マップが変わってきました、過去に不利だと言われた東北や北海道の学校が全国大会トップレベルの位置し、優勝旗を持ち帰っています。

その高校野球に見られる大きな変化は、指導者を中心とした「人間力強化」、即ち「人間学教育」が実施にあります。この集団で取り組む「人間学教育」がチーム競技におけるチーム力強化に必須となっています。高校野球の有力校はみんな『致知』という人間学の月刊誌をチームで読んでいるそうです。個の能力を向上させる努力をしながら、全体としてのパワー向上をはかるのが、今の日本のスポーツ界の新手法になってきているのです。

ワールドベースボールクラッシックで日本を世界一に導いた栗山英樹監督の『栗山ノート』という本がベストセラーになっています。氏は無名のプロ野球選手時代から「人間学」に取り組み心と体を鍛えてきました。その珠玉の結果がかれの教え子「大谷翔平選手」です。野球選手でありながら、人間としても尊敬を選手、ファンから集める彼こそが今の日本のスポーツ界の象徴ではないでしょうか。

令和5年9月4日から9月10日の間に実施された定例講座は以下の通りです。

▼9月3日:人物に学ぶ 人間力強化講座 鹿籠六 氏 (進行竹原俊三)

近年、「里山」という言葉を耳にする機会が多くなりました。今回の講話者の鹿籠六氏は「的形里山を守る会」の副会長をされている方で、現在、的形を中心に40名弱で活動されている団体の自然観察の中心的な存在をされている方です。今回の基調講演では的形の里山に棲息する昆虫、鳥類の美しい写真を動画で

ご披露頂きながら楽しい話を聞かせて頂きました。里山は、地域社会が一丸となって取り組むべき自然遺産だと思います。地球の異変をこれだけ目の辺りにしている私たちは、各自の身近にある自然、公園や里山の維持を積極的に行わねばなりません。大人が行動し、子供達も巻き込んで、地域で継承していく自然との付き合いが今求められていると痛感したひと時でした。