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この国を思う:日本人と情緒 紅葉狩りに思う

日本列島沸騰化と言われた猛暑が終わり漸く秋がやってきました。秋は食欲の、スポーツの、読書の秋などといわれますが、やはり紅葉により一年で一番自然が輝く季節であると思います。日本では10月末から11月半ばにかけて毎日のように紅葉の風景がテレビで観られますが、私は季節の変わり目にはいつも童謡が思い出します。童謡「紅葉」をご存知でしょうか。

   秋の夕日に 照る山もみじ 濃いも薄いも数ある中に

         松を彩る楓や蔦は 山のふもとの裾模様

この調べを聴くと、行楽地に行かなくてもしみじみと秋を感じます。また、身近な里山の風景をみたり、童謡を聴いたり、和歌を繙いてみると秋の風情を楽しむことができるのです。

奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき(古今和歌集)

小倉山 峯の紅葉葉こころあらば 今ひとたびの みゆき待たなむ(拾遺和歌集)

古人も秋を心待ちにし、初秋、中秋、晩秋と移り代わりを楽しんだようです。紅葉は秋のクライマックスといえます。冬がそこまで来ています。今、この瞬間を日本人としての情緒を働かせ、懸命に生きたいものです。

令和5年10月30日から11月5日の間に開催しました定例講座は以下の通りです。

▼安岡正篤先生全著作を読む 第28講『東洋政治哲学(王道の研究)』

(竹中栄二先生)

・東洋政治哲学の特徴は『王道政治』にあります。孔子も目指した徳治国家、即ち、君主の人徳による国の統治、運営こそが経世済民のあるべき姿が王道政治です。この王道政治が実現しているのが我が国日本です。今回の第二章「王道」では、『書経』洪範篇に説かれている為政者が王道政治を実現する為に必要な三つのポイント「養」「教」「禁」について学びました。中でも教えでは、大臣の任用が如何に大切であるかを呂新吾の『呻吟語』の大臣の六等により解説しました。

▼新聞を10倍楽しく読める地政学 中級篇(竹原俊三先生)

・本講座前が始まる前の早朝講座では「ロシア・ウクライナ戦争」が泥沼状態に入っている中で、直近に勃発した「イスラエル・ハマス問題」について解説して頂きました。イスラエル問題という禍根が生じた原点を知ることでこの戦いの収束の難しさを知りました。本講座では、前回に引き続いて台湾有事の問題について現役自衛官が書かれた書をベースにした資料により学びました。